最近、抜け毛が増えた、髪にハリやコシがなくなった、生え際が後退してきた気がする。そんな変化を感じたら、それは男性型脱毛症、いわゆるAGA(Androgenetic Alopecia)のサインかもしれません。AGAは進行性の脱毛症であり、早期に気づき、適切な対策を始めることが非常に重要です。しかし、単なる一時的な抜け毛とAGAの初期症状を見分けるのは難しいと感じる方も多いでしょう。AGAの判断における最初のポイントは、抜け毛の質と量、そして脱毛のパターンです。AGAの場合、細くて短い、いわゆる軟毛化した毛髪が目立つようになります。また、頭頂部(つむじ周り)や前頭部(生え際)から薄毛が進行しやすいという特徴があります。鏡でご自身の頭髪の状態をよく観察し、以前と比べてこれらの部分の地肌が透けて見えるようになっていないか確認してみましょう。シャンプー時の抜け毛や、枕についた抜け毛の量が増えたと感じる場合も注意が必要です。ただし、季節の変わり目などには一時的に抜け毛が増えることもあるため、数週間から一ヶ月程度の期間、変化を注意深く観察することが大切です。また、家族歴もAGAの判断材料の一つとなります。父方、母方双方の親族に薄毛の方がいる場合、遺伝的にAGAを発症しやすい体質である可能性が考えられます。しかし、遺伝的素因があるからといって必ずしもAGAを発症するわけではなく、また遺伝的素因がなくても発症することもあります。これらのセルフチェックはあくまで目安であり、自己判断でAGAと断定するのは禁物です。もしAGAの疑いを感じたら、専門のクリニックを受診し、医師による正確な診断を受けることが最も重要です。医師は、問診、視診、触診、マイクロスコープによる頭皮や毛髪の状態観察などを行い、総合的にAGAかどうかを判断します。早期発見、早期治療が、AGAの進行を遅らせ、より良い結果に繋がる鍵となります。少しでも気になる変化があれば、まずは専門家である医師に相談する勇気を持ちましょう。