AGA、男性型脱毛症の治療法として、フィナステリドを単独で使用する方法は、その手軽さや比較的コストを抑えられる点から選ばれることがあります。この治療法にはいくつかの利点がありますが、同時に注意すべき点も存在します。まず利点として挙げられるのは、治療のシンプルさです。フィナステリドは1日1回の内服薬であり、外用薬のように塗布する手間や時間がかからないため、日常生活に取り入れやすく、継続しやすいというメリットがあります。また、ミノキシジル外用薬や他のより高額な治療法と併用する場合と比較して、単剤であれば治療にかかる費用を比較的低く抑えることが可能です。特にジェネリック医薬品を選択すれば、さらに経済的な負担を軽減できるでしょう。副作用のリスクについても、複数の薬剤を併用する場合に比べて、単独使用の方が管理しやすいという側面があります。フィナステリドには性機能関連の副作用などが報告されていますが、その発生頻度は高くなく、単剤であれば副作用の原因特定もしやすいと考えられます。一方で、注意点としては、発毛効果が限定的である可能性が挙げられます。フィナステリドは主に抜け毛を抑制し、薄毛の進行を遅らせる効果に優れていますが、ミノキシジルのような強力な発毛促進効果を期待するのは難しい場合があります。そのため、既に薄毛が進行している方や、より積極的な毛量の増加を希望する方にとっては、効果が物足りないと感じるかもしれません。また、効果を実感するまでに時間がかかることも理解しておく必要があります。一般的に、服用開始から少なくとも3ヶ月から6ヶ月は継続しないと、目に見える変化は現れにくいとされています。根気強く治療を続けることが求められます。さらに、フィナステリドはAGAに特化した薬剤であるため、円形脱毛症など他の原因による薄毛には効果がありません。自己判断で服用を開始するのではなく、必ず医師の診断を受け、適切な指導のもとで治療を進めることが、安全かつ効果的な薄毛対策の基本です。