女性の薄毛は、男性のそれとは原因が異なる場合が多く、よりデリケートなアプローチが求められます。加齢だけでなく、ホルモンバランスの乱れや、冷え、ストレス、過度なダイエットによる栄養不足など、複合的な要因が絡み合っていることがほとんどです。東洋医学では、特に女性の健康は「血(けつ)」の状態と深く関わっていると考えられており、血の不足(血虚)や巡りの滞り(瘀血)が、薄毛や髪のパサつき、白髪の直接的な原因になるとされています。ここでは、そんな女性特有の悩みに寄り添う、代表的なツボをご紹介します。まず、何をおいても覚えておきたいのが「三陰交(さんいんこう)」です。足の内くるぶしの一番高いところから、指4本分上にあるこのツボは、「女性の宝」とも呼ばれるほど、婦人科系のあらゆる不調に効果を発揮します。ホルモンバランスを整え、血の巡りを良くし、体の冷えを改善する働きがあるため、日頃から優しくマッサージしたり、お灸で温めたりするのがおすすめです。次に、「血海(けっかい)」です。膝のお皿の内側、上の角から指3本分ほど上がったところにあります。その名の通り、「血の海」を意味し、血の巡りを改善し、血にまつわるトラブル全般に効果が期待できるツボです。生理不順や生理痛に悩む方にも有効で、健やかな髪を育むための土台となる「血」をコントロールする上で非常に重要です。また、ストレスや不安感が強い場合は、手のひらの真ん中にある「労宮(ろうきゅう)」をゆっくり押してあげましょう。心の緊張を和らげ、リラックスさせる効果があります。これらのツボを日々のセルフケアに取り入れることは、単に髪のためだけでなく、女性としての体全体のバランスを整え、健やかで美しい毎日を送るための、心強いお守りとなるはずです。